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不測の事態を切り抜ける、「強い企業文化」の作り方。(Loco Partners・徳山さん)

新型コロナウイルス禍の影響により様々な企業活動に影響が出ている中、人事としてなにをするべきなのでしょうか。

その疑問に対して誰もが納得する答えはないと思いますが、一つのヒントとしてリーマンショックや震災などの経済危機の際に人事をされていた方々に、過去の経済危機を企業の中の人事としてどう受け止めて行動していたのかを伺おうと思います。

リーマンショックを不動産企業の人事として経験し、現在はコロナ禍の影響を大きく受けている観光業界の中で試行錯誤の真っ最中である徳山様にお話を伺いました。

株式会社Loco Partners 徳山様のプロフィール

コーポレート本部 副本部長
株式会社ザイマックスにて、総務人事部でグループ全体の新卒/中途採用・研修業務などに従事した後、営業・新規事業開発などを担当。 2016年7月に株式会社Loco Partnersに入社。人事・広報・法務・経理・営業企画・カスタマーサポートなどコーポレートスタッフ全体の責任者として従事。現在はコーポレート本部副本部長として、人事領域など全般を担当。

非常時にもぶれない、「組織が戦略を作る」という考え方

ー 早速ですが、徳山さんはリーマンショックが起きた頃は何をされていたんですか?

Loco Partners・徳山様(以下、「徳山」):新卒で入社したザイマックスという会社で人事を担当していました。ザイマックスはクライアントの所有する不動産をマネジメントするという、当時の不動産業界の中では新しいビジネスモデルを展開していましたから、リーマンショックによって所有している不動産の資産価値が下がるなどの直撃は受けませんでした。

ただ、直撃は受けなかったからといって、リーマンショックが業界全体にもたらしたネガティブな影響から逃れられたわけではありませんでした。クライアントが倒産や民事再生をすることが続いていましたから。

当然、不動産業界は不況を受けてどの企業も採用をストップすることになりました。でもザイマックスは、採用人数を増やしてアクセルを思いっきり踏み込んで行こうという判断をしたんです。

ー かなり思い切った決断ですね。その決断をした理由は、いい人材が市場に流出しているからでしょうか? それとも売上を拡大するチャンスだと思ったからでしょうか?

徳山:その両方です。ザイマックスの当時の社長、現会長の島田さんはもともとリクルートの人事担当役員をしていた方で、どちらかというと「戦略が組織を作る」よりも「組織が戦略を作る」という思想でした。つまり、「いい人がいればいい事業が作れる」という考えです。

同時に、「これからは優秀な人材がどんどん不足していく世の中がくる。優秀な人材がいるだけで企業は差別化ができる」とずっと言っていました。なので、会社の売上が一時的に落ちているタイミングでも、優秀な人材が流出している以上、採用は攻めるしかないと。

強いカルチャーがあるから、意思決定に迷わずいられる。

ー 徳山さん自身は不況のタイミングで攻めることに不安を感じませんでしたか?

徳山:ありましたね。メディアで毎日のように企業の倒産が報道されていたり、クライアントのどこどこが民事再生手続きに入っただとか、そんな暗いニュースが飛び交ったりしている中で「本当に人を増やしていいの?」という気持ちはありました。

でも上の人達は本気で言ってるなと感じたことで、「やるしかないんだな」と受け入れましたね。実際に採用活動をしてみると優秀な人達が行き場がなく困っていることがわかり、「なるほど、これはチャンスだな」と気づくことができました。

ー 実際やってみて正解でしたか?

徳山:そう思いますね。いまでもそのとき採用した方々がザイマックスの中核中心となって活躍していますし、逆にその時に採用のアクセルを踏んでいなかったらどうなっていたんだろうと思います。

ー 新卒採用はどうでした?

徳山:リーマンショックを経験していない方は知らないかもしれないですが、リーマンショックがおきた年度の終わりの3月に、入社間近の大学4年生に対して内定取り消しを告げるということが結構な規模でおきたんですよ。その中にはもちろん優秀な学生もいた。なので彼らを採るしかないと、一気に攻めましたね。

これは社風の影響が大きいのですが、ザイマックスは採用チャンスにはつねに全力投球なんですよね。それまでも大学中退した学生に対して「じゃあもう来週から働く?」と声をかけていましたから。非常時に思い切った選択をできるのは、強い企業カルチャーがあってのことだったと思います。

ー そんなチームに属していたらいい意味で常識が無くなりそうですね。

徳山:なくなりますね。それについては本当に感謝しています。

新卒のときに最初から中途採用の面接をしていた際は、俺でいいの?と思っていたこともあったのですが、先輩たちが「ザイマックスはそういう会社なんだからしょうがない。それが嫌な人は入ってきてもしょうがない」と背中を押してくれました。本当にありがたかったと今でも思います。

ー リーマンショックから得られた教訓をあげるとすれば何になると思いますか?

徳山:今もすごく実感していることですけど、目の前のことを悲観することはすごく簡単なんですけど、それだけしてても何も変わらないと。その中でどういうあり方、生き延び方を見いだせるかというのが大事だと、シンプルながらも思いましたね。

「withコロナ」を変革のチャンスに

ー ここからは今回のコロナ禍に対する対応についてお聞かせください。

徳山:新型コロナウイルスの感染拡大前には「採用活動は対面が前提、海外にいる人と面接するときはオンラインで」という慣習が人事領域にはありました。ただ、コロナの脅威が続くようであれば今のようにオンライン面談をベースにした採用になっていくのかなと。

「withコロナ」が全世界共通の体験になったことで、みんなオンライン業務の効率の良さに気づいたし、これまでオンラインに抵抗を感じていた人たちも「まあこれでいいか」となれたと思います。そういう意味でコロナ禍をきっかけに、仕事の進め方がこれまでにないスピードで変わっていくのではと思っています。

ー Loco Partnersさんでは、Afterコロナでもリモートワークを継続していく意向はあるんですか?

徳山:そうです。コロナの前から議論は出ていたんですが、「リモートでも業務は回る」と証明できたと思っているので、100%になるのか50%になるのか現時点ではわからりませんが、リモート対応を継続していきたいですね。

周囲を見渡せば、社会に大きな変化が訪れたタイミングで事業を一気に推進しようとしている会社もいます。このような動きは社会全体にとってすごくポジティブなことだと思っていて、平常時だと反対されることでも非常時には一気に変えやすい。会社にとっては業務効率化やオンライン化、システム化などを進めるチャンスになると思っていますね。

ー 採用はどうされていますか?

徳山:僕は先程お話したように、自分自身の成功体験として非常時にこそ踏み込んだ採用活動をしたい気持ちはあるのですが、Loco Partnersは旅行領域というコロナが直撃している事業ドメインなので正直踏み込みづらいのが辛いところではありますね。

クライアントであるホテルさんや旅館さんがが軒並み休業に入られていて、Loco Partnersとしてもこういう状況が長く続いた場合のシナリオをアタマの片隅に置いておかなくてはいけません。

ただ採用に関してはチャンスだとは思っていますので、すぐに入社まで至るかはわからないですけど、候補者との接触は増やしていきたいです。いざ採用を本格化するとなったときにすぐに動けるようにしておくことが大切ですね。

ー withコロナの中、力をいれている人事業務はなんですか?

徳山:いま力を入れていることでいうと、これまで手をつけられなかった「緊急度が低いけど重要度が高いこと」をやろうとしています。たとえばマニュアル作成や人事システムの入れ替えのような業務ですね。通常時には優先度付けの評価が難しいですが、客観性をもってちゃんと評価していこうと思っています。

ー 最後に、不測の事態に強いチームはどのようにしたら作れるとお考えですか?

徳山:たとえ通常時であっても、お客さんとのちょっとしたトラブルのように日常業務のなかで大小様々な不測事態に遭遇しますよね。でも、そういう場面で「こういう風に説明すれば、逆に信頼を得られるかもしれない」というように、一人ひとりのメンバーが自走自発的に思考できるかどうかが、強いチームの条件だと思っています。

ポジティブで自律したチームが作れていれば、リーマンショックやコロナショックのような大きな事態に見舞われてもしぶとく粘ることができる。そういったチームの風土は、通常時の仕事の進め方を通じて自然に育つものだと思っていて、マネージャー層が日常業務を通じてメンバーに自走する機会をどれだけ与えられるか、そしてその結果をどれだけ正当に評価できるか。そこに尽きると思います。

<了>

結びにかえて

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