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「組織成長」と「自律」をどう両立させるか|Building Wantedly #2

ウォンテッドリーが会社設立初期からこれまでの間に積み重ねてきた“シゴトでココロオドル組織”を作るためのチャレンジについて紹介する連載「Building Wantedly」。

第1回に引き続き、ウォンテッドリーを初期から支える役員陣の声をもとに、ワークエンゲージメントの高い組織づくりのこれまでを振り返ってみたいと思います。

コンディションの把握で持続可能なチームを作る。

Wantedlyの採用サービスは「共感採用」の旗印を掲げていますが、私たちは自社採用においても「ミッション共感」を最重要視しています。それはなんといっても、メンバー一人一人が自分の生み出す未来の価値についてワクワクしながらシゴトに取り組んだ方が、パフォーマンスを発揮しやすいし、長く続けやすいと信じているからです。

しかし、ミッション共感というチームの必要条件をもってしてもワークエンゲージメントの課題のすべてを解決してくれるわけではなく、変化の激しいスタートアップ企業ではメンバーの精神面や健康面に対するケアが欠かせません。特に、組織の急拡大期には成長への懐疑や、モチベーションの喪失といった問題に直面することになります。

スタートアップの「50人の壁」として知られるこの問題にウォンテッドリーはどう先回って対処したか、CTOの川崎はこう振り返ります。

川崎:
組織規模が50人を超え、1人で全員と1on1ができる規模ではなくなると、当然メンバーのコンディション変化にも気づきにくくなります。一緒に働く仲間にはできるだけ快適な環境で挑戦を続けて欲しいと思っているので、メンバーやチームが抱える問題は見落とさずに対処したい。そこで四半期ごとの社員アンケートを人事部主導で行なっていました。

人事部主導のアンケート調査は、現場マネージャーが見落としがちなコンディション指標を客観的にキャッチする機会としていまも重宝していますが、やはり年に4回だと重要な変化を見落としかねません。そこで定点観測用の外部サービスを導入したのですが、メンバーへの通知がメールでしか届かないため、普段メールを開く機会の少ないエンジニアやデザイナーといった職種からは回答が集まりにくく、定着にはいたりませんでした。

長らくHR領域でWebサービスを提供してきた私たちにとって、社内に浸透するサービスになるためにはマネージャーがわざわざ「記入しておいてね」と呼びかけなくても自ずとアクションが促されるような体験設計が必要なのは明らかでした。

日常的にチームの健康度を測るための「体温計」として施策を定着させたいが、頻度を増やせばメンバーの負担になってしまう...... こうしたダブルバインドを抜け出すために、ウォンテッドリーは「できるだけメンバー側の負担の少ないシンプルなUXで、メンバーのコンディションを定点観測できないか」と試行錯誤を重ねていくことになります。

人事の業務フローは簡素に。

口頭やチャットでの周知で全員の回答を促すには効力が足りない、ならばSlack上でアンケートに回答した人から退出できる臨時部屋を作るのはどうか......こうした試行錯誤の目的は、メンバーの工数だけでなく人事側の業務フローをできるだけライトなものにするためでもありました。

コーポレート部門マネージャーの大谷は社内の諸コストを抑えて制度を立ち上げるための心構えについて次のように語ります。

大谷:
人事のメンバーにはよく「社内のインフラエンジニアを見習おう」という話をします。うちのインフラチームは社内から「サーバーを立ててください」と言われてはじめて動くのではなく、開発者であれば誰でも必要な時に増設できる仕組みを先回って作っておくことができる。

人事部も同じように、社員数が増えても問題なくまわるような仕組みづくりを作ることを念頭にリーンに制度を設計し、自動化できることは自動化することが肝心だと思っています。

バリューとともに成長する組織をどう作るか。

コンディション把握の仕組み化とともに、ウォンテッドリーが成長の裏側で取り組み続けてきたことに、「メンバーの自律した働き方をいかに促すか」という命題がありました。

大谷:
ウォンテッドリーは「優秀なメンバーには目的地さえ示しておけば、最短で成果にたどり着く」という思想を持っています。どこに向かうのかの目線合わせができていれば、残りは自分の頭で考えてくれるので細かな指示を与える必要はないという考え方です。

とはいえこの思想をもとに自律するチームを組み立てるには、企業が急速に成長する過程で直面するであろうさまざまな組織課題についての事前理解が求められます。たとえ組織規模が30人に満たないフェーズでは同じゴールに向かうための「あうんの呼吸」が成立していたとしても、事業のステージが上がるにつれ組織の階層化が進んでいくだけでなく、個々のメンバーが業務上で直面する課題の質もまた複雑性を増していくからです。

階層化・複雑化する組織においては「現場との目線合わせ」のためのコミュニケーションコストや難易度は上がる一方。こうした新しい困難に直面した組織では、しばしばメンバーが細かな局面での判断に迷うようになり、全体のなかでの自分の役割を見失うといった事態に見舞われます。だからといって、マネージャーからメンバーへの指示出しを細かくしてしまうと“自律するチーム”の理想から逆行することになってしまう...... そこで必要なのが「バリュー」であると大谷は述べます。

大谷:
事業を推進するためには目的地(ゴール)を社内で共有するだけでなく、そこまで徒歩で行くのか、自転車で行くのか、ジェット機で行くのか......というようにHOWについての目線合わせが必要です。例えばウォンテッドリーが目指しているのは「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションの実現ですが、そのゴールにたどり着くために「最短距離の最大社会的インパクト」という手法をとります。

そして、メンバーが意思決定を求められる場面に即してこの手法を細分化したのが、ウォンテッドリーの掲げるバリューです。組織に正しく浸透したバリューは、それぞれの曲がり角でメンバー各自が取るべき行動について迷ったときに“コンパス”の役割を果たしてくれるのです。

バリューが単なるお題目としてではなく、コンパスとしての実務的価値を帯びた「生きた言葉」でありつづけるためには細かなメンテナンスが必要。実際にウォンテッドリーでは、ちょうど組織が50人をこえた2017年に新たなバリュー3つの追加を含めた改定を行なっていますが、これはスピーディーに100人規模へと組織を拡大させるうえで“歪み”を最小限に抑えるための意思決定でした。それまでは主にプロダクト開発の現場を想定してバリューを設定していましたが、ビジネス組織の拡大を見越してより普遍的な要素をプラスする必要があったのです。

また、組織拡大に伴う問題として「バリュー解釈にブレが生じる」ことも挙げられます。たとえばウォンテッドリーの「Team First」というバリューは「自チームの都合を優先して動く」ではなく、「全社最適で考える」という意味。しかし、言葉が誤解を完全に免れることは難しい以上、バリュー解釈を統一するためには特別な働きかけが必要です。

そこでウォンテッドリーでは、毎年更新されるCulture Bookの中でCEO自らが各バリューについて解説したり、社内のデザイナーがバリューの直感的理解を助けるポスターを作るなど、バリュー浸透のための施策を重ねてきました。

すべてをSlackに集約してみよう。

さて、50人から100人へと組織規模が急成長するなかでウォンテッドリーが積み重ねてきた組織努力を以下の3点にまとめてみましょう。

  • メンバーのコンディションを定点観測するための仕組み
  • 施策の導入コストを最小限に留める工夫
  • バリュー浸透を促進するための働きかけ

これらはいずれも、対面でのコミュニケーション機会が減少しているこのコロナ時代において必要不可欠な要素になりつつあります。組織づくりに携わる人事やチームマネージャーは「精神面におけるメンバーの浮き沈みにマネージャーが気づきにい」、「行動の軸がバラバラになりチームの成果がでにくい」、「定着しない施策にコストをかけにくい」という三重苦に見舞われているからです。

こうした組織課題を前にして、私たちウォンテッドリーが自社の創意工夫の歴史から導き出した答えは「すべてのソリューションをできるだけ日常的に目に触れる場所に集約する」というものでした。そして生まれたのが、Slack連携によりメンバーのコンディション把握とバリュー浸透を可能にする「Pulse」です。

Slack上であれば、週に一度のコンディション調査に回答するストレスを限りなく低減することができ、メールチェックの頻度が少ない職種であっても見落とさずに済み、非対面であってもお互いの行動を称え合えるコミュニケーション文化を育む中で「生きた言葉」としてバリューを浸透させることができる.......。

Pulseの開発を通じて、私たちは創立以来「シゴトでココロオドル」ために積み重ねてきた創意工夫のひとつひとつを、有事の際にも強いチームであるためのツールとして結晶させることができたのです。

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「Pulse」β版 詳細についてはこちらから

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